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近隣の直売所を選んだ理由〜フローラ平山様 その14〜

By 北浦 令偉, 公開日 2022-01-31T03:00:00.000Z

一対で2,400円の花束を置かせてもらうということ

値段だけを聞くと「高い」と思ってしまう1,200円の花束。贈り物ではなく、日常的に使うお花、一対で用意すると2,400円もします。九年前、一番最初のスタートは、鹿島台以外の直売所だったそうです。平山さんは、花を買ってくださるお客様だけではなく、お花を置かせてもらう販売店さんのこと、取引先相手のこともよくよくお考えなのでしょうね。自分が思い描く理想の形があって、でも相手の理想の形もあって、迷惑はかけられない。みんなで良い方向に向かいたい、それが平山さんの理想なのでしょうね。

 

 

(平山さん)

「うちの一束1,200円の花束を本格的に、大々的に出そう」って思った時、まず近隣の直売所さんにお声がけさせていただきました。一番最初にお声がけした直売所さんには「値段は高いですけど、品質はいいんです。実験的に置いてみませんか?」って話した時は、やっぱり直売所側の皆さんは抵抗を示すわけですよ。「高い花?!『高い』ってイメージが付くと困るんですけど。」と。だけども直売所っていうのは、当時、もう過当競争時代に入っていたので、直売所もそれぞれ自分の色を出さなきゃないと私は思っていたんですよ。なので、「『ここの直売所さんは、他の直売所さんと比べて、今後、どういった点で自分の色を出していくのか?』ということを考えなきゃないんじゃないですか?」っていう話をしたりしました。いろいろ説得をしながら、「まずやろうよ。売れなかったら、何か考えるから、まずやってみっぺ」って言ったんです。ちょっと周りより値段は高いけども、とにかく品質がいいものをキチッと供給するということを繰り返してみようと、盆彼岸中心に置かせてもらいました。9年間やってきたんですが、皆さんだんだん考え方が変わってきて、「いいものを作れば、それを目当てにお客様は来るんだよね」と、今はおっしゃってくださる様になりました。直売所も住み分けというか、色を出さなきゃない時代になっているので、うちは「質がいいものが欲しいお客様にアプローチができる直売所作り」に貢献できる形に持って行けたらいいなと考えています。

 

 

この9年の間にお声がけさせていただいた直売所さんや販売店さんは、それはもうさまざまで、少しお話しすると割とすんなり受け入れてくれるところは「じゃあやってみようか」って柔軟にやってくれたので、割と今、花を目当てにお買い物に来るお客様が増えてきて、あまり乱高下することもなく、予定した通りものが売れるって状態になっていますね。一方では、最初は「いいですよ」っていってくれて花を置かせてもらうんですけど、うちの花の値段を見てびっくりして、「こんなに高くてはお客様が来なくなるから、申し訳ないけど…」と、ブッツリ断られた所もあれば、さまざまです。あと、順調に売れて、お客様も増えていた販売店さんで、店長さんが変わったり、担当の人が変わったりするタイミングで、「ここの店は高いって思われると困るから、やっぱり置くのをやめてくれ」いうこともあります。担当する人の価値観でだいぶ振り回される時があります。

「品質が良いものを欲しいっていうお客様がいるから、うちが納品して、一方で安さを求めるお客様もいるから、安く売っている加工屋さんとかは花屋さんも入っている。お客様への供給は双方できるのだから、棲み分けしてていいんじゃないですか?」って話をするんですけど店全体のイメージがあるので、「高い値段をつけて売っているとイメージが悪いんだ。」と言われちゃう。お店によってコンセプトがいろいろあるので、しょうがないんですけどね。

 

何ヶ所かの近隣の直売所さんに関しては、自由にやらせてもらえる風土があって、その辺、何の制約もなくて、割と自由にやらせてもらえるんです。売るものに関しても大きな制約がないので、お客様に自分たちの情報を発信するにはとても良い環境だったんです。近いと言うのも大きな理由の一つでしたね。小回り利かせられるので、一日に何度でも行けるくらいの距離なので、なんかあればパッと動けるし、お客様から問い合わせ来ればパッと行けるし、我々からすれば情報発信しやすい場所でしたね。「花を置かせてほしい」ってお願いした当初、その直売所ができて年数も経ってなかったので、お客様が固定化されていなかったって言うのもメリットでした。「ここには安いものが売っているんだ」って、安いものを目当てに回もにに来るお客様がいっぱいいる状態からのスタートだと、うちみたいな「品質がよく、値段がするもの」を売るには非常に難しいんですが、まっさらな状態だったので、何か新しい価値を創造するにはやりやすいなと思いました。新しく店ができたタイミングで扱ってもらえたので、やりやすかったです。

 

実は最初にうちの花束を置かせてもらった近隣の直売所っていうのは、鹿島台内ではないんですね。前々から「直売所までいけないから、鹿島台内の既存の店で取り扱って欲しい」と言うお客様の声はあるにはあったんですが、スーパーや量販店など安さを売りにしている所だと、お客様とのミスマッチが起きてしまう可能性があるんですよ。私が学生の時、鹿島台内の大きめの量販店さんができた時に、私がアルバイトをしていた縁があって、父に声がかかって、花を取り扱いしていただいたんですけど、やっぱりお客様と値段とのミスマッチが起きてしまって、思ったほど売れなかったということもあったので。そうなると販売店さんに迷惑をかけてしまう、という部分と、商品を置いてもらっても売れない状態で燻るのも困るな・・・と、二の足踏んでいた時期もありました。

 

今は鹿島台だとスーパーさんに、うちと値段をできるだけ下げてお客様に提供することに力を入れている花屋さんも入ってるんですけど、「いろいろなお客様がいるけども、お互いに客層上手く棲み分けできて、花業界全体で花が売れてくれる様になったらいいっちゃね」って話をしています。「うちはうちのカラー出すし、その花屋さんにはその花屋さんにしかできないものの売り方をしてもらって、それでこの辺りのお客様みんなが欲しい花を買えればいいよね」って話をしています。そんな感じで棲み分けして、やっていけばいいかなって思っています。