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お父様の栽培技術と平山さんの商品開発・販売の技術〜フローラ平山様 その10〜

By 北浦 令偉, 公開日 2022-01-01T03:00:00.000Z

お父様の栽培技術と平山さんの商品開発・販売の技術

平山さんの言葉からは、お父様への尊敬が溢れていました。技術者としてのお父様の背中をずっと見てきて、葛藤もあって、その上で出てきたであろう言葉にはとても重みが感じられました。「気にかけているけど、素直に聞けない、お互いに」といった、こそばゆいようなお父様との距離感もありました。それぞれの分野の技術者と技術者の二人三脚は、時にはガチンコだったりするのかな?なんて思ったり。

 

(平山さん)

私の場合は、作ることに関しては全然素人みたいなものです。技術はないです、はっきり言って。すごいのは父ですね。菊とかトルコギキョウを育てることに関して、科学的にいろいろ分析したり、いい物を育てるための知識がある人って、多分、日本中探しても、父ぐらいのレベルの人ってそうそういないと思います。花を育てる技術力に関しては、おそらく世界中見渡しても、なかなかここまで作れる人はいないかな。サラリーマン時代から、海外も含めあちこち見て回って、そう思っています。一般的に目に見えるような指標もないですし、これは私が自分で勝手に言っていることですけどね。

                   

父は、花を作る、育てるってことに関してはズバ抜けて職人なんです。ファーマーじゃないんですよ、研究者っていうか、技術者っていうか、とことん納得いくまで深掘りして、とことん、あれもこれも知っているっていう人なんです。せっかくそういう人が鹿島台にいて、国内でもかなりレベルの高い花を、世界に誇れる品質の花を作っている。それをどうやって地元の人たちに還元して、どうやって広めるか、知ってもらうかっていうのが戻ってこようって思った原点の一つでもあるので、父の存在も、私の出発のきっかけの一つですかね。

 

父の凄さは、栽培にかけては、やるとなったらとことん突き詰めることですね。妥協は一切しないっていう。わからないことがあったら、その場でパッとネットで調べたり、電話かけまくって、自分が納得するまで調べまくるんですよ。それはもう絶対妥協せず、とことんやるんです。それを物凄いスピードでやりますよ、あっという間に。もう調べて調べて調べまくって、あっという間にやりますね、納得するまで。それを日常的にやってるんです。

 

農業って、科学の集合体で、物理から化学から生物から、やっていることがすごい幅広いんです。だから毎日のようによくわからないことが起きるというか、土の中の科学的なことだったり物理的なことだったり、天候もそうだし、ハウスの中の話もハウスで使うビニールなど資材の話も、全てのことに関して、毎日のように何かが起きるんですよ。それを私が疑問に思って調べる前に、父は、もう結論までいっちゃってるんです。そういう気質の人なんです。目に見えないものも多いんですよ?土の中のこととか、なんで植物が上手く育たなかったのかとか、仮説でしかわからないですけども、それでも目に見えるはっきりする部分を突き詰めようとする.

しかも物凄いスピードでやるんです。

 

しかも、作るものに関しては本当に妥協っていうものをしない人なので、花の形にこだわったのならば、いくらお金がかかっても、自分の目指す形を作ろうとする人です。黒字になるか赤字になるかじゃないんですよ。まずは自分のイメージするものを何がなんでも作り上げるというところに労力とお金を惜しみなく投入する。それを何十年ってやってきた人で、それが今のフローラ平山の、お客様に胸を張れる品質の原点ですよね。

 

ただ、父みたいなタイプは、「どうやって一般の消費者に花を売るか?」とか、「どうやって経営していくか?」とかは、ものすごい苦手な分野なんです。花を作ることはとことん知っているのだけれども、それ以外のことになるとものすごく弱くて。なので、自分の持っている商品開発や販売のノウハウと、うまいこと噛み合えばいいなと思ってるんです。

 

9年経って、噛み合ってんのか、噛み合っていないのか、未だにわからないですけど(笑)結果的には、いい方向に向いていると思います。はっきり言って、フローラ平山の花は高いですけど、この地域で一種のブランドになりつつあるのだとは思います。