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世の中の現状〜フローラ平山様 その7〜

By 北浦 令偉, 公開日 2022-01-01T03:00:00.000Z

平山さんが感じる世の中の現状

平山さんは、自分のことを分析魔であり、「数字は嘘をつかない」と語る理数系頭脳派である一方で、肌で感じる何かもある様で、「何かがおかしい」と感じ、世の中の流れが変わってきている様に感じ、また、変わらなくちゃいけないとも感じるとおっしゃっていました。

 

(平山さん)

世の中は、作る側・販売する側がお客様より先にトレンドを作りたがる傾向にあります。物づくりでありがちな話かな?とは思うんですけど、お客様が「ああ、いいな」って思うかどうかは別問題で、作る側のエゴをグッと入れたがるというか、お客様を見ていない。それがすごく気になるんです。お客様に「これ、いいよね」とか「これこれ!これが欲しかった!」って思ってもらえるものを作っているか?作ろうとしているか?って常々心がけないといけないのに。まあ、自分にも、「これ、この花、いいんだよなぁ!お客様、この良さ、わかってくれないかな?」って思う時もあるんですけど、私が「いいな」と思った花をお客様が、「これ、いいよね!」って思うかどうかは、分からない。私がいいと思っている花は、もしかしたら、お客様の欲しいものからは、実は外れているかもしれない。だからこそ、最後の最後には、お客様の方を向かなきゃいけない。そこが一番重要ですよね。お客様がどういう物を欲しいと思っているのかを考えなきゃいけないですよね。変わったもの、目新しいものも作りたくなるんですけどね。しかし、需要があるかどうかは別問題なんですよね。

 

今の量販店さんの多くは、渥美俊一先生という、アメリカの本格的なチェーンストア経営システムを日本に紹介し、ジャスコとかヨーカドーとか、戦後の日本を代表する、今や大手となっている量販店の指導をされた方のコンサルタントに基づいてできているんです。渥美俊一先生の教えは「お客様の8割は値段しか見ていない」っていう考え方なんです。それに基づいて、安く大量輸入や大量生産して、安く大量に売る形になっているんですけど、そこは私、「違うんじゃないかな?」って疑問を持っているんです。売る側がお客様のニーズに応えられないから、買う側も「安いものでいいか」って妥協して買っているだけで、もっと細かく見ていったら、お客様が値段しか見ていないんじゃなくて、「値段しか見ざるを得ない状況を売る側が作り出してしまっているんじゃないかな?」って思うんです。だからって全てのお客様のニーズに応えられる商品開発はできない。だから、客層をしっかり絞った上で、お客様にアプローチする。それをキチッとやらなくちゃいけないんじゃないかって思うんです。値段じゃなくて、しっかりお客様のニーズを捉えて、アプローチする。お客様の方を向いて、お客様が「これ、いいな!」「これが欲しかった!」と思えるもの作って、アプローチしていく。私は、今の量販店さんも、いずれはそうなっていくと思うんです。そういう方向性になっていかなきゃいけない時に来ているのかな、分岐点かなって思っています。実際に今現在、だいぶ変わってきてると思います。販売する側は、考え方を変えて行かなきゃならないですね。

 

実は、今の若い子たちって、自分のニーズに合わないものは、いくら安くても買わないんですよ。売る側は、そこに気付かなきゃいけないですよね。安くても、ほしくなきゃ買わないんです。そういう傾向が、今の若い子たちに出てきてるので、販売する側は考え方を変えなきゃいけないですし、アプローチの仕方を変えなくちゃいけないと思っています、我々も含めて。

 

経済は、物が大量に溢れていつでも買えるようになってくると、多様化してきます。その流れに乗って行かなきゃいけない。値段じゃなく、「きれいだから」とか「私が好きだから」とか「こういう理由だから、ここの花を買うんだ」というお客様のニーズ、欲しいと言ってくださるお客様の気持ちにキチッと答えられるような物を供給し続けなきゃない。そういう風に変わっていかなきゃいけないんだと私は思っています。変わるというか、原点回帰、「お客様が欲しいと思ってくださるものを作って供給する」本来あるべき姿に戻るというか、戻ってきてる様に感じるんです、私は。