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宮城県大崎市鹿島台を発信中

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キャーキャー聴こえる白鳥の鳴き声と子ども達の歓声

By 遠藤智美, 公開日 2021-02-07T03:00:00.000Z

白鳥の飛来地 大崎市鹿島台木間塚を流れる鳴瀬川

毎年多くの白鳥が飛来する鳴瀬川に、2020年も10月頃から白鳥がやってきました。

わたしが思い浮かべた白鳥・・・・・毎日通勤で使う電車の車窓から見た「住宅地、道路、田んぼ、境目がなくなり、湖の中を白鳥が泳いでいる。ちょっと哀しげなイメージ」

2019年台風19号のため鹿島台でも浸水被害があり、毎日毎日水が引かない、ニュースで見る風景がそのまま目の前に広がる、どうしてもそんな暗い風景と真っ白な白鳥のコントラストがとても印象に残っていました。

大きな台風が直撃したようにそのまま変な天気が続き、冬になっても雪が降ることが無く過ぎたことからその年は白鳥を見に行く機会もありませんでした。

 

 

しかし、このサイトの立ち上げのために、[鹿島台]について紹介する企画を考えていると真っ先に出たのが[鳴瀬川の白鳥]だったのです。

 

 

鹿島台の街中を通って石巻方面へ向かう途中にある木間塚大橋の手前で右に曲がると道があります。そこをすぐ左に曲がり、デコボコの坂道を進むと開けた広場がみえます。車が3-4台停められる広場にはベンチもありました。河辺には興味深そうにこちらを見つめる白鳥さん。

 

少し経つと、こちらに向かってそろりそろりと、歩いて寄ってきました。

野生の白鳥なのに、意外と懐っこい感じで驚きました。

 

 

昔から、白鳥来たらえびせん持って鳴瀬川

 

わたしには5歳の娘がいます。

「今度白鳥を見に行くよ」と伝えるととても喜んで、どんな鳥なのかを図鑑で調べました。図鑑によると白鳥には2種類、オオハクチョウとコハクチョウがいることが書いてありました。

 

さて、鳴瀬川に飛来してくるのはどちらなのか・・・。パッと写真だけ見ると、アヒルにもガチョウにも見える白鳥さん。田んぼにいたり、お空を飛んでいく姿はイメージできるけど、近くで本物を見られるのが余計に楽しみになりました。くちばしと頭の形で見分けられるそうです。

 

「近くで白鳥が見られる」と言うのも、わたしが娘くらいの時、よく母に連れられて白鳥を見に行っていた記憶があるからです。

母も「えびせんとかパンの耳持ってよく見に行ったよねー!白鳥さん!白鳥さん!って追いかけて逃げられて泣いてたっけね。」と懐かしそうに話してくれました。冬と言ったら定番の行事だったようです。

 

そして、えびせん・パン耳・白菜・白米を持っていざ鳴瀬川へ!

広場に降り立つと・・・・・わらわら集まってくる。

(わらわら= 一斉に、勢いよく、素早く)

 

なにか持ってきた?とでも言わんばかりの表情に、寒さで固まった頬が緩みます。

子ども達のキャーキャーという歓声に一瞬驚き、そのままわらわら水辺へ戻っていってしまいました。

 

 

 

「白鳥さーん!パンよー!居なくなったー!」と笑う娘を見たら、一気に母との記憶が蘇ってきました。

 

 

水辺に浮かぶ白鳥と近くまで行きたい子供達の攻防戦は続きます。

しばらくすると安心したのか岸に上がってきてエサを催促する白鳥もいました。ゆっくり追いかける娘達。
子ども達はてんでばらばらでいるけれど、白鳥との一体感さえある、そんな写真がたくさん撮れました。

 

 

ひと昔前まで白鳥見学が幼稚園や小学校の行事のひとつだったこともあるそう。野生動物を観察する、お互い安全安心な状態で観られるのはのどかな田舎ならではかもしれませんね。

 

 

今回はわたし達なのか、はたまた白鳥がこちら側を観察しているのか分からないほどリラックスした表情を見せてくれる白鳥達でした。

 

 

 

4種類の中で1番人気は白鳥も子どもも大好きなアレ

 

 

 

今回はほとんど初めての「白鳥見学」だったため、持ち物も未知でした。フラッと行って帰るのも良いけれど、子ども達の反応によっては長居する可能性も・・・。
 
12月で寒かったので防寒対策と、水辺近くのぬかるみが心配なので長靴。あとは子ども達が楽しめるように白鳥にあげるエサを準備していきました。
寄ってきたらなんかあげたい、と思ったのと昔はえびせん持って行ってたよと聞いたこともあり、この4種類を準備。
 

  • お米(わたしたちが食べている白米)
  • 白菜(お鍋のあまりの葉っぱ部分)
  • パンの耳
  • えびせん

 

白菜→パンの耳→お米→えびせん、一応野生動物なので白鳥の身体に配慮して味が薄そうな順であげてみました。

それぞれの袋を出すとわらわらと岸に上がってくる白鳥の群れ。こちらもちょっと引いてしまう勢いです。子ども達は負けじと白菜を投げる!投げる!投げつける!まるで豆まき!

彼らは白鳥へのエサやり初体験ということを忘れていました。こうやってぽーいって投げてあげよう、伝えると思い思いにぽいぽいあげてあっという間に白菜もパンもなくなりました。

ひとしきりエサをあげて大満足な子ども達。白鳥の方は袋をしまうのを見ると振り返り、わらわらと水辺に戻っていく姿、彼らはとってもハッキリしている性格のようです。水際まで行ってみてお米をあげてみました。

 

 

ここで大誤算。白米は水に浮かない。お米を炊く前に洗う時、お米は沈むことをすっかり忘れていました。それでも食べようと潜って探す白鳥に転覆しないかヒヤヒヤ。と、その横で水際ギリギリから白鳥にお米をぶつける娘達。米まみれの白鳥と水に落ちそうな娘達、いろんな意味でヒヤヒヤしました。玄米や籾殻付きのお米なら水に浮くのかな。ちょっと気になります。

 

えびせんは言わずもがな、子ども達がおやつとして食べながらエサやりをします・・・。えびせんをくれとついてくる白鳥、えびせんを食べながら振り向く先には白鳥が!!目が合ってびっくり!2歳くらいだと白鳥と目線が一緒かもしれませんね。

 

これまた袋を回収してしまうと、わらわらと水辺に戻っていく白鳥たち。と、少し目線を広げてみたらあちこちで水面を5、6歩蹴って空に飛び立つ姿が見れました。大きな翼を羽ばたく姿は大迫力!空気が澄んだ冬の朝日とのコントラストもキレイそう。

わたし達も約1時間楽しませてもらいました。

子供達からは

  • 楽しかったーーーーー!
  • 白鳥キャーキャー鳴いてたー!
  • エサやり楽しかった!
  • 白鳥大きかった!
  • 水の中泳ぐの早かった!
  • 探検楽しかった!
  • 足が大きかった!
ママ達からは
  • 小学生ぶり?の白鳥にテンションが上がった
  • 足で水を漕ぐ姿を見られて面白かった
  • 飛び立つ姿が迫力があった
  • 自分もおいしくエサやりできた
  • 白鳥の鳴き声を近くで聞けた
 
9時出勤なのかな、と思いたくなるほど9時頃になるとあちらこちらで羽ばたいてエサを探しに行く白鳥達。
群れ単位でひとつずつ、田んぼから田んぼへ順番に田んぼ巡りをしながら食事をするそうです。農家のおじさんから聞きました。あんまり太ってしまわないようにえびせんは控えたいところですね。
 
 
 
ちなみに・・・朝8時すごくすごく寒いです。スキーウエアを着て行ったから震えるほどではなかったけど顔・手の出てるところは激寒。今は雪も降ってるし、幻想的だろうなと思うけど寒さに怯えて行けません。遊びに行く時にはくれぐれも寒くないように暖かくして行ってみてください!
 
 
 

わたしは娘とお友達との楽しい時間を共有できたこと、母との幼い時のことを思い出せたこと、上品でいて時にコミカルな白鳥との思い出がまたひとつできました。
 
 
のどかな田舎風景の鹿島台だからこその魅力。水・食料・自然の豊かさゆえに毎年やってくる白鳥だということも子ども達に伝えていきたいことのひとつです。
 
鹿島台出身・鹿島台在住だけどほぼ初めての体験ばかり、先輩方にいろいろ教えてもらってこれから更に楽しみます!
 
 
合言葉は「見っぺ!」「聞ぐべ!」「行ぐべ!」
1人じゃできないことばかり。
誰かと何かを共有して「たまげだー!」そんな一言が出たら万歳です。